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執筆者の写真マツイーヒロミ

【コットンリネン、リネン、ラミーリネン何が違うの?わからないから選べない?その②】

こんにちは。

tututu designのマツイーヒロミです。


前回の「①コットンとは」に引き続き、tututu housework styleで使用している生地について、素材や織り方による違いをご紹介します。

選ぶ際のご参考にしていただけたらと思います。



①コットンとは

②リネンとは?麻とは?ラミーとは?

(それぞれの生地の特徴比較)

③生地の織り方の違い、特徴




本日は、②の『リネンとは?麻とは?ラミーとは?

(それぞれの生地の特徴比較)』のご説明をします。



《②リネンとは?麻とは?ラミーとは?》


リネンの原料となる亜麻(あま)科の植物のフラックスは、気温の低い地域で栽培されています。

フランス北部のフランドル地方や、ベルギーが主な生産地として知られています。

フラックスは日本国内でも、古くは種を薬として使うために栽培されてきました。明治から昭和時代にかけて、繊維を使用するために北海道地方で多く生産されるようになりました。



↑フラックスは可愛らしい青い花を咲かせます。

着ているものの生地がこんな花の咲く植物からできていると思うだけで少し気分があかりませんか?w


フラックスの良いところは、生育がとても良く、除草剤や肥料などの力を借りなくとも栽培が可能というところです。そのため、地球環境に優しい植物とも言われています。



フラックスを乾燥させて、茎の繊維から取った糸がリネンと呼ばれています。

ちなみに「リネン」は英語、「リンネル」はフランス語です。


そしてリネンは、人類が使用した最古の繊維だと言われています。


ところで、衣類などの製品表示でよく目にする「麻」とリネンは、何が違うのでしょう?

リネンは時に麻と呼ばれることも多いですが、実は、「麻」という言葉は“植物の繊維”の総称で、亜麻科のフラックスが原料であるリネンも麻の一種ということになります。


麻の種類としては、リネンのほかにラミー(苧麻・ちょま)、ジュート(黄麻・こうま)などが有名ですが、全部で20種類ほどもあるのだそうです。


ラミーはイラクサ科の多年草で、主な産地は中国やマレーシア、フィリピン、ブラジルなどです。


吸湿や発散、丈夫なのは一緒ですが、触った時に少々ゴワゴワしたり、繊維に光沢が感じられる部分に違いが見られます。リネンよりシワが入りやすい面もあります。


リネンとラミーは、家庭用品品質管理法では「麻表記」が認められています。




以下、リネンの特徴をまとめましたので、参考になさってみてください。



特徴1.丈夫で長持ちする・肌触りが良い


リネンは非常にしっかりとした素材で、他の自然由来の天然素材に比べて丈夫です。

また、水に濡れることでさらに強度が増すという特徴も備えているので、生地に負荷が掛かりがちな洗濯も収縮さえ気を付ければ気兼ねなく行う事ができます。


リネンといえば、あのなんとも言えない肌触りが特徴ですよね。

はじめは、しゃりしゃりっと固めの質感でも、洗えば洗うほど柔らかな質感になっていきます。

時間をかけて、使えば使うほどに、肌に馴染んでいくのがリネンの魅力です。



特徴2.汚れにくい


リネン生地には、繊維と繊維を繋ぐノリの役目をしているペクチンという多糖類が含まれています。これが含まれているリネン生地は汚れが染みにくく落ちやすいという性質に加え、抗菌性を持つともいわれ、清潔に使用することができます。

洗濯にも強いので、衛生面においても安心です。

そのため、キッチンクロスとしても使われております。



また、ペクチンには汚れにくくするだけでなく生地の毛羽立ちを抑える効果もあります。

ポリエステルのような化学繊維と比べて静電気が発生しづらく、ほこりやごみが付着しにくいのも特徴です。

丈夫で汚れにくい特徴を持つリネンの製品は、丁寧にお手入れを行うことで長く使い続けられるのがいいですね。



特徴3.吸水性に優れている


リネンをはじめとした麻は、コットンの4倍ともいわれる非常に高い吸水率を誇る素材です。

吸水性だけでなく通気性や発散性にも優れているため、濡れてもすぐに乾くという特徴を持っています。

カビや雑菌の繁殖を防ぎ、嫌なニオイも抑制してくれます。



特徴4.通気性・保温性に優れている


リネンの繊維は中が空洞で、空洞部には空気が含まれています。その空気が余分な熱を逃がすことで夏は涼しく、冬は中の空気が熱を保持するために温かく感じられます。 このように、リネンは天然のサーモスタットのような性質を持ち、通気性、保温性に優れています。

リネンは涼しげな見た目で夏の素材だと思われている方も多いかもしれませんが、実は春夏秋冬一年を通して使用することができる素材なのです。



特徴5.混紡性に優れている


リネンは異素材と混紡する事によって、お互いの良い点を共有しながら悪い点を補い合う事ができる素材です。代表的な混紡素材としては「リネン×コットン」があります。


麻はチクチクするというイメージの方が多くいますが、本来リネンは肌着や寝具に使われるほど滑らかな素材です。そこにコットンを混紡すると柔からさが増し、ふんわりとした肌馴染みの良い風合いになります。


また、染まりにくく色落ちしやすいリネンのデメリットを染色堅牢度が高いコットンが補う事で洗濯による色の劣化を防ぎ、より扱いやすい生地になります。


他にもラミーの張り感とリネンの肌触りの良さを掛け合わせた「リネン×ラミー」、秋冬に重宝する「リネン×ウール」、ストレッチ性に富んだ「リネン×ポリエステル」などたくさんの種類があり、衣料品を中心に多くの支持を得ています。



特徴8.しわになりやすい・色落ちしやすい


リネンは他の繊維に比べ伸度が低い素材です。

一度変形すると元に戻りにくくシワにもなりやすいので、引っ張るなどの強い力を与えないよう注意しましょう。


またリネンは染色堅牢度が低い為、着用時の汗・摩擦での色落ち、洗濯時の色移りが起きる場合があります。


特に濃淡色で染められたリネンはある程度色が安定するまでは、薄い色の衣類との着合わせや他の洗濯物との同時洗いは控えましょう。


洗剤は、強力な洗浄力があるものは生地を傷める原因になりますので、中性もしくは弱アルカリ性の洗剤を使用してください。また洗濯機を使用する際はネットに入れた方が安心です。

脱水時は他の洗濯物とわけ、短時間だけ回しましょう。干す時に手でパンパンと叩いてあげるとシワ予防になります。

また乾燥機は縮みの原因となりますので、絶対に使用しないようにしましょう。


リネンは直接日光を当て続けると紫外線による色落ちや黄ばみが発生する場合があります。乾かす際は天気の良い日に生地を裏返した平置きの陰干しで、極力日光に当たらないように心がけてください。



特徴8.お値段が高め


値段が高めなのもリネンのデメリットと言えるかもしれません。

リネンは1回収穫をすると土が痩せてしまうため、7年は別の作物をつくり地力の低下を防がなければなりません。

常に良質なリネンを仕入れるためには、7年もの輪作年数を考慮した広大な農地が必要ということもあり、原材料がどうしても高くなってしまうのです。


でも、リネンは丈夫で長持ちする素材。

良いものを長く使えると発想転換したらデメリットにはならないかもしれませんね!


ちなみに、ラミーは年に3〜4回の収穫ができるエコな植物です。

触った時に少々ゴワゴワする、繊維に光沢が感じられるという特徴がありますが、リネンより安価です。



tututu housework styleのエプロンでは、「コットンリネンの薄手」「コットンリネンの厚手」「リネン」の3種の生地をオプションで選べるようになっています。


①コットンとリネンのいいところを活かしたコットンリネンで、カラーバリエーションを豊富にし、さらに少し価格をおさえたものをお届けできる。


②軽い着け心地がいい(コットンリネンの薄手)、しっかりとした生地がいい(コットンリネンの厚手)、長年使用して経年変化も楽しみたい(リネン)などのお好みに合わせられる。


他にも、ラミーリネンやリネンガーゼなどもご要望に合わせてご提案することができますので、その場合はDMより直接ご相談ください。



「コットンリネンの薄手」




「コットンリネンの厚手(キャンバス)」




「リネン100%」





次回は、「コットンリネンの薄手」「コットンリネンの厚手」「リネンガーゼ」のように、同じ素材なのに生地の厚みや風合いが違うのはなぜ?にお答えしますね。



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